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「既存不適格建築物」と「違反建築物」

「違反建築物」というものをご存知でしょうか。
国土が狭く、住宅地として利用できる土地が限られている日本では、それぞれが好き勝手に家を建ててしまうとさまざまな問題が起こります。
そこで、家を建てる場合は、救急車や消防車が通れるように土地や道路を整理したり、火災が起きても被害が大きくならないよう家の大きさや防火性能に一定の基準を設けたりするために、法律を守る必要があります。今回は、このような法律が守られていない建築物についてご紹介致します。

「違反建築物」とは、建築基準法や都市計画法などに違反している建築物のことです。
主に、建築前に行政に建築計画が問題ないか確認せずに建てたもの(確認済証がないもの)、建築計画と違う建物を建てたもの、建築後に増改築を行い違法になったものなどが存在します。
また、建築当初は適法で建てられた建物が、その後の法改正などにより違反となった場合、その建築物を「既存不適格建築物」と言います。
二つの違いは、その建物が建築された時点で合法だったかどうかです。

「違反建築物」は、安全面や衛生面、防災の観点等から問題のある可能性が高く、その所有者自身も危険にさらされるおそれがあるだけでなく、採光・通風・防火・避難・衛生などに不都合が生じ、周辺住民などにも様々な面で不利益を及ぼす可能性があります。
このような観点から、違反建築物に対しては、建築基準法に基づき、行政から除却や使用禁止などの命令を受ける可能性があります。
また、違反建築物を建築したときの関係者だけでなく、その建築物を取得した新たな所有者が不適合を是正しなければならない場合もあり得ますので、新たに建物を購入する際には、違反建築物でないことを確認することをおすすめします。

「既存不適格建築物」については、現行の建築基準法令の規定は適用されません。(建築基準法3条2項)
現行の建築基準法令に合わせるためだけに、既存不適格建築物に対して改築等の対処をする必要はなく、増改築や大規模修繕、大規模模様替等を実施する際に、現行の規定に適合させればよいとされます。
その中でも、政令の範囲内で行われる増築、改築等や軽微な修繕・模様替などを行う場合は、適合させる必要はありません。(建築基準法86条の7第1項)
ただし、古くなって倒壊の危険があったり、不衛生であったりする物件については注意が必要です。
都道府県知事などの特定行政庁は、既存不適格建築物であっても、著しく保安上危険であるかまたは著しく衛生上有害であると認める場合には、相当の猶予期限を設けて、所有者等に建築物の除却修繕、使用制限など必要な措置を命ずることができると規定されています。(建築基準法10条3項)

ここで「建物が違反しているのだから、売ることも違反になってしまうのでは?」と不安に思う方がいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫です。違反建築物件でも、法的には何の問題もなく売却できます。
ただし、住宅ローンの審査基準には「建築基準法を守っているかどうか」という項目があるため違法建築は住宅ローンの利用が難しかったり、
容積率のオーバーなど、違反の内容によっては大がかりなリフォームや建て替えもできない可能性もあり、買主を見つけるのが大変です。
買主が見つかっても、売却時に違法建築であることを伝えていないと、後々トラブルになってしまう可能性もありますので注意しておきましょう。

最後に、、
建物を解体して更地にしてしまえば、違法物件ではなく「ただの土地」として売却できます。
どうしても買い主が見つからない場合は、一旦、更地にすることも検討してみるもの良いかもしれません。

広報部 大泉未宇

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